【工事の記録】新4号横断部(2019年8月~2020年10月)
本記事では新4号横断部の工事状況について解説します。
土木工事
施工会社
本工事は新4号国道への影響が大きい工事であることから、新4号国道を管理する宇都宮国道事務所(国交省)にトンネル本体の工事を委託する形となっています。
そのため芳賀宇都宮LRT関連の工事では唯一ゼネコンが直接施工する工事となっています(他の工事は宇都宮市発注なので基本的に地元企業かゼネコン+地元企業のJV)。
工事は2018年8月2日に一般競争入札(WTO対象)で公告され、同年12月7日に開札、2019年1月25日に清水建設が落札・契約しています。
応札状況は以下の通りです。
応札者 | 応札金額(円) | 調査時基準価格(円) | 予定価格(円) |
総合評価方式 評価点 |
落札者 |
鹿島建設(株) | 827,000,000 | 751,120,000 | 834,580,000 | 19.34703748 | |
五洋建設(株) | 768,000,000 | 21.875 | |||
(株)新井組 | 1,000,000,000 | - | |||
(株)加藤建設 | 辞退 | - | |||
日本国土開発(株) | 1,012,000,000 | - | |||
(株)奥村組 | 999,000,000 | - | |||
(株)熊谷組 | 辞退 | - | |||
清水建設(株) | 773,000,000 | 22.76843467 | 〇 | ||
(株)フジタ | 辞退 | - |
工事概要
本業務に含まれる工事は以下の通りです。
- 道路土工 1式
- 舗装工 約4,700平方m
- カルバート工 1式(内空幅7.9m×高5.8m×延長41.8m)
- 排水構造物工 約800m
- 縁石工 約1,800m
- 防護柵工 約700m
- 仮設工 1式
- 連結側道切り回し 約630m
- 副道切り回し 約790m
- 中央分離帯撤去・設置 約570m
- 本線路面覆工 約360平方m
- 仮水路 約1,300m
工期は契約から約28ヵ月としています。
工事に関しては、必要な用地の確保に時間を要しており、予定より遅れて2019年7月16日に土木工事に着手するも、その後も前記事で解説した通り一部用地が確保できない状態が続き、東側の工事用道路の築造や水路の切り回し工事が中心となっていました。
用地取得が完了した2019年11月頃より仮設ランプの築造などの本格的な工事が始まっています。
工事状況
工事用道路築造
2019年8月26日撮影
まず新4号国道西側から工事用道路の築造が始まりました。
2019年9月8日撮影
オレンジのネットで覆われた範囲で次々と土砂の搬入が進んでいます。
2019年9月13日撮影
少し遅れて新4号国道東側でも工事用道路の築造が始まりました。
借地で工事終了後農地への復旧の予定があるためか、まず防水シートを敷いてその上に工事用道路築造が行われています。
2019年9月16日撮影
工事のため新4号両脇の管理用道路については閉鎖されました。
2019年9月16日撮影
新4号西側では、農業用水路の仮移設工事が始まりました。
2019年9月22日撮影
新4号西側、市道329号線北側の用地(軌道ルート上)では、施工ヤードの構築に向け整地が始まりました。
2019年9月22日撮影
新4号南東側でも工事用道路の築造に向け防水シートの敷設が行われています。
2019年10月18日撮影
仮設用水路が市道329号線を横断する部分については2019年10月20日~10月22日ごろまで市道を通行止めにして施工されました。
なお歩行者・自転車の通行空間は上記期間中も確保されていました(写真左側)。
2019年10月26日撮影
市道329号線横断部分の仮設水路の施工が完了し、市道側の舗装が仮復旧されています。
2019年10月26日撮影
このころには新4号西側の仮設水路はおおむね完成しています。
2019年10月26日撮影
新4号東側でも仮設用水路の築造工事が始まりました。
2019年11月4日撮影
用地取得のめどが立ったことで、管理用通路の舗装がはがされ始めました。
2019年11月18日撮影
新4号国道南東側の工事用道路はおおむね完成しました。
2019年11月28日撮影
新4号西側でも管理用道路の舗装がはがされ、用水路のボックス拡張なども完成しました。
2019年12月15日撮影
新4号北東側(平出交差点付近)でも一部管理用通路を流用する形で工事用道路が完成しました。
2019年12月15日撮影
新4号南東側(市道329号線より南)の管理用通路については、一部張り付いている民家への出入口がある関係で最後まで通行止めにされず残っていませんでしたが、民家への出入口が移設されようやく通行止めとなり、舗装がはがされ始めました。
仮設ランプ築造工事
工事用道路が完成し、2020年1月頃より仮設ランプの築造工事に着手しました。
仮設ランプは市道329号線横断部とLRT予定ルート横断部上を橋梁で通過する構造になります。
2020年1月12日撮影
新4号北東側では仮設ランプ橋を支える基礎工事が始まりました。
2020年1月26日撮影
新4号西側でも仮設ランプの築造工事が目に見える形で始まりました。こちらは仮設ランプの盛土工が先行するようです。
2020年1月26日撮影
新4号西側(市道329号線より北)でも奥で仮設ランプの築造工事が進んでいるように見えます。
2020年2月9日撮影
新4号東側(市道329号線より北側)では仮設ランプの盛土工事が進んでいます。
2020年2月9日撮影(新4号東側、市道329号線より南)
こちでも同様に仮設ランプの盛土工事が進んでいます。
2020年2月9日撮影
かわって新4号西側、329号線より北側です。こちらも同様に仮設ランプの盛土工事が進んでいます。
2020年2月9日撮影(新4号国道西側、市道329号線より南)
こちらも同様に盛土工事が進んでいます。進捗はだいたい同じくらいでしょうか。
2020年2月20日撮影
新4号西側、市道329号線北側に仮設ランプ橋の橋脚が姿を現しました。
2020年3月24日撮影
すこし間が空いていますが、新4号東側(市道329号線北)でも仮設ランプ橋の橋脚が姿を現しました。盛土工事も終盤を迎えています。盛土上のコンクリートが橋台となるようです。
2020年3月24日撮影
新4号東(市道329号線南)では盛土工事は進んでいるものの、仮設ランプ橋の橋脚はまだ見えません。
なお橋台は盛土上にコンクリートで作るようです。仮設なのでそんなもので大丈夫なのでしょう。
2020年3月24日撮影
新4号西側(市道329号線北)でも橋脚が姿を現しています。
2020年3月24日撮影
最後に新4号西、市道329号線南側です。こちらは仮設ランプの盛土工事がほぼ完了、盛土上に仮設ランプ橋の橋台も作られているようです。
この間は宇都宮を離れているため写真がありません。
もし写真をお持ちでつかってもいいよ!という方がいらっしゃいましたら、Twitterで連絡をいただけますと幸いです。
2020年5月28日にそれぞれのランプが仮設ルートに切り替えられました。
宇都宮市平出地先の新4号国道横断トンネル整備工事【LRT関連工事】に伴い、鬼怒通りに取付くランプの切り回しを行います。
— 国土交通省 宇都宮国道事務所 (@mlit_ukoku) May 22, 2020
🔶期間:2020年5月28日(木)より
〇新4号国道から鬼怒通り(下り線ランプ)午前9時頃より
〇鬼怒通りから新4号国道(上り線ランプ) 午前9時30分頃より
なおこの切り替え情報は宇都宮国道事務所のTwitterのみで発信され、そのほかの公式サイト等では一切発信されないという不思議な状態でした。
2020年10月9日撮影
切り替えられた下りオフランプです。
急カーブで仮設ルートに移ります。
2020年10月9日撮影
切り替えられた仮設ランプ上の仮設橋です。
ガタガタとしており、走行する際少し怖いです。
2020年10月9日撮影
下りオフランプ、平出交差点側の取り付け部です。
仮設ランプへの切り替えに際し、従来より右折レーンが長くなりました。
(もともとラインで区切られていないだけで路肩が広く、依然は手前から2列に並ぶという暗黙のルールがありました)
上り側オンランプの写真は大変申し訳ありませんがありません。
トンネル本体工事
ランプを切り替えたのち、トンネル本体工事も本格的に始まっている模様です。
まず本線の中央分離帯を撤去し、夜間片側で対面通行にすることで、現在本線上に覆工板を設置しています。
2020年10月8日撮影
中央分離帯が撤去されています。
工事の進捗に合わせ、深夜帯は上り線または下り線のどちらかに対面通行で集約させ、覆工板を施工しているようです。
2020年10月8日撮影
現在は本線下に覆工板を受ける桁(受桁)を構築しているようです。
受桁が完成したのち本線上の舗装を剥がし、覆工板を敷くことで、本線下の掘削にようやく着手できます。
軌道関連工事
トンネルが完成していませんので当然まだ始まっていません。
なお軌道工事は宇都宮市が発注するものと思われます。
長くなりましたが新4号横断部の解説・レポートは以上です。
続く...