【工事の記録】清原工業団地区間(導入)
はじめに
清原工業団地区間(清原第2工区)は、工業団地内の既存の緑地(公共用地)を多く活用できることから、用地買収の難易度が低く各種工事が一番早く進んでいる区間です。
まずは当区間の幾何構造について解説していきます。
幾何構造
清原工業団第2工区は大きく分けると2つの区間に分けられます。1つ目は(仮称)作新学院北停留場~(仮称)清原管理センター前のサイドリザベーション軌道+車道2車線、2つ目は(仮称)清原管理センター前~工区北端の車道4車線+サイドリザベーション軌道です。
(仮称)作新学院北停留場~(仮称)清原管理センター前
当区間の平面図です。軌道は車道の北側に建設されます。また途中クランク上になっている区間は軌道・車道ともにS字カーブの線形に改良されます。
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クランク箇所は、もともと市道1435線が優先、市道1436号線が従道路の形ですが、改良後は市道1436号線~1435線東側が優先に変更されます。
市道1436号線
市道1436号線の改良前の横断図です。両側に歩道があるもののやや狭い道路です。
また道路中心線の真下にはそこそこ大きめの雨水管が敷設されています。
改良後は上のような横断構成になります。市道1436号線の車道は南側へ移設し、もともと車道があった場所に軌道を敷設します。歩道を削って軌道敷設用地を捻出するのがほとんどなLRT事業では異例の歩道も拡幅となり、改良後は快適に歩行できるようになります。なお市道1436号線自体は都市計画決定されておらず、軌道のみが都市計画決定されています。
また改良に際し、道路下に埋設されていた雨水管が軌道に支障しない箇所へと移設されます。
市道1435号線
改良前の市道1435号線は、清原工業団地内の市道では一般的な構造の「両側歩道3.5mと往復4車線」で構成される横断面です。また中央分離帯下には雨水管が埋設されています。
改良後は、車道4車線から2車線に減少、南側へ集約し、北側に軌道を敷設します。
なおごくわずかな幅の拡幅が必要になりますが、道路両側の緑地帯(公共用地)を活用するため用地買収はありません。
もともと中央分離帯下に埋設されていた雨水管は、軌道ルートに支障するためやや南側へ移設されてます。
電停構造
(仮称)作新学院北停留場は相対式ホームで建設されます。下り線ホームはLRTの計画上唯一車道も軌道も跨がずにアクセスできる停留場(なはず)です。
(仮称)清原管理センター前停留場は、島式ホームで建設されます。また隣接して清原トランジットーセンターが建設されます。このトランジットセンターは芳賀宇都宮LRTで計画される4つのトランジットセンターの中で一番大きな規模の計画となっています。
停留場に一番近い部分にバス停が設置され、次いでタクシー乗降場と一般車乗降場、P&R駐車場が整備されます。また各乗降場には屋根が設置されるなど、かなり利用者の利便性に配慮した計画となっています。
(仮称)清原管理センター前~工区北端
(仮称)清原管理センター前~工区北端の平面図です。この区間では軌道は清原中央通り(都市計画道路名称は清原通り)の東寄りにサイドリザベーション方式で敷設されます。
なお(仮称)清原工業団地北停留場付近の交差点を挟んだ南北で軌道敷設位置が異なります。
工事開始前の清原中央通りの横断面図です。
車道の両脇に広い緑地帯が整備されているのが特徴です。名前の通り清原工業団地のメインストリート的な位置づけになっています。
(仮称)清原管理センター前~(仮称)清原工業団地北付近の横断面構成です。この区間は軌道敷設が東側に寄っています。
(仮称)清原工業団地北付近~工区北端の横断面構成です。この区間は軌道敷設が車道と副道の間になっています。
電停構造
(仮称)清原工業団地北停留場付近の拡大図です。見てわかる通り下り線と上り線が交差点を挟んで両側に配置されているほか、それぞれ緩急接続が可能な構造になっています。
また交差点の北側で下り線から上り線への転線が可能な配線となっており、イベント時など臨時電車を増発する際に東電停で折り返し運転を行うことを考えていることがわかります。
次は引き続き導入編として、本区間の軌道構造について解説していきます。