第3種第1級

芳賀・宇都宮LRTの工事状況や各種設備などを解説しています。

芳賀宇都宮LRTのあれこれ(その2・車両基地編)

はじめに

前回に引き続き、芳賀宇都宮LRTのあれこれを。今回は主に車両基地のあれこれについてまとめていきたいと思います。

車両基地の位置

もうこの記事をご覧の皆さんはすでにご存じの方が多いかと思いますが、一応車両基地の設置場所を。

農地を転用した敷地に車両基地が建設されます。

なお車両基地はすべて市道6413号線の一部として建設されます。

 

 車両基地の各種設備

平面図

平石停留場からの入出庫線を含めた車両基地の各種設備の平面図です。

 

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敷地北側に管理棟と平出変電所が配置されます。管理棟は地上2階建て、延べ床面積は約1,533㎡で、運行監視設備も設置されるようです。また平出変電所には芳賀宇都宮LRTの他の変電所(3箇所)を監視・制御する設備も設置されます。

敷地南側には地上2階建て、延べ床面積約5,300㎡の検修庫が設置されます。検修庫の中には車両の各種検査を行う設備が設置されます。検修庫内の検査設備(検査ピット)は長さが43.6mあることから、初めから40m級の車両を想定して建設しているようです。

なお画像中には40m級の車両を試しに配置していますが、かなりの編成数を収容可能なことがわかります。

※12番線、13番線は東側整備事業ではレールは敷設されず路盤の準備工事のみとなります。西側延伸時にレールが敷設される予定です。

線路設備

以下に車両基地内の配線図を示します。また各分岐器の種類と分岐器番号を記載しています。

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※12番線、13番線は東側整備事業ではレールは敷設されず路盤の準備工事のみとなります。西側延伸時にレールが敷設される予定です。なお分岐器は設置済みです。

 

 

軌道

車両基地内の軌道はすべてバラスト軌道、T型レール(50N)になります。

分岐器

車両基地内には計17機もの電気転てつ機(NS-A型)が設置され、電子連動で制御されます。分岐器はほとんどが片開きですが、一カ所だけシーサスクロッシングが設置されます。

そのほか11カ所に錘付き分岐器(手動で切り替え)が設置されます。錘付き分岐器は路面電車の車庫ではよく見るやつですね。

信号

継電連動装置、信号用表示器(多進路用19表示)が設置予定であることから、車両基地内の電気転てつ機は一括して管理棟で制御するものと考えられます。

↑入庫側の進路表示の様子。基地内指令所と交信の上、進路が開通します。

軌道系交通の車両基地で、分岐器を電子連動で制御するのは非常に珍しいかと思います。他では鹿児島市交通局車両基地くらいでしょうか。というか鹿児島市交通局車両基地をかなり参考にしている気がします。

【参考】

www.tetsuden.com

www.sankosha-s.co.jp

thegate12.com

電車線路設備

車両基地内の電車線路設備は基本的に本線と同じで、トロリー線は直吊架線方式になります。

一番特徴的なのは鋼管ビームや鋼管トラスが多用される点でしょうか。

中には幅25mを超える鋼管トラスも設置されます。架線構造物で鋼管トラスが設置されるのは車両基地ならではですね。

おわりに

以上が現在私が把握しているLRT車両基地のあれこれです。前回に比べるとボリュームが少な目だったでしょうか。

次は軌道の市道認定に関するあれこれをまとめようかと思います。