第3種第1級

芳賀・宇都宮LRTの工事状況や各種設備などを解説しています。

【工事の記録】鬼怒川右岸立体区間(2018年4月~2020年10月)

いよいよ本格的な専用軌道区間となる鬼怒川右岸立体区間の解説です。

 計画概要

平面図

f:id:road_hashas:20201118165013j:plain

区間は比較的計画高が低い区間(アプローチ区間)での擁壁区間と後半の橋梁区間の大きく2つの区間で構成されます。

現在は南北を横断する市道(農道)が複数ありますが、擁壁区間においては軌道敷設後は分断され、側道を通じて橋りょう区間、もしくは下平出方面へ迂回させる計画になっています。

縦断図

f:id:road_hashas:20201118183106j:plain

続いて本区間の縦断面図です。

宇都宮駅東口方から鬼怒川に向かって標高は下がっていきますが、軌道は鬼怒川橋梁にむけておおむね40‰の勾配で上っていきます。市道5346号線との交差付近から橋りょう構造となり、鬼怒川橋梁まで10径間の単純T桁プレテンで構成されます。

A1~P9まではすべて径間長は20mで構成され、鬼怒川に最も近いP9~P10の1径間のみ24.5mの径間長となります。

横断図

 ・擁壁区間

f:id:road_hashas:20201120104354p:plain

 *1

本図面は野高谷工区のものですが、本区間とほとんど同じ構成と想定されます。擁壁区間では実際の軌道部幅員は8.4mですが11.4mで都市計画決定されており、両サイドにかなりの余裕があります。

 ・橋りょう区間

f:id:road_hashas:20201120111708p:plain

やはりこちらも軌道部幅員が8.4mに対し、都市計画決定幅が9.4mと余裕があります。

なお擁壁部、橋りょう部ともに実際は側道が建設されるため、実際の用地買収範囲は上記+側道を加えたものとなり、加えて工事施工ヤードに必要な部分は借地として契約されている模様です。

用地取得状況

f:id:road_hashas:20201120122207j:plain

本工区に関係する用地は2020年11月にすべての箇所が取得できたことが確認されました。

f:id:road_hashas:20201120123602j:plain

2018年10月23日撮影

写真奥が鬼怒川方面になります。まだこの時点では用地測量が始まった程度で鬼怒川方面に森林が広がっている状況です。

f:id:road_hashas:20201120123921j:plain

2018年12月25日撮影

写真奥が鬼怒川方面になります。

このころには鬼怒川橋梁施工に向けて一部用地が工事車両が通れるよう買収されています。

 f:id:road_hashas:20201123123441j:plain

2019年1月31日撮影

区間鬼怒川寄りではこのころから予定地内の森林の伐採が始まりました。

f:id:road_hashas:20201123123540j:plain

2019年2月18日撮影

このころには予定地内の森林はすべて伐採され、下平出寄りから鬼怒川方面を見通せるようになりました。

f:id:road_hashas:20201123123629j:plain

2019年3月1日撮影

伐採した樹木の根を掘り出し、整地しています。

f:id:road_hashas:20201123123715j:plain

2019年6月14日撮影

区間下平出寄りの農地が買収され、複数の杭が打たれました。これ以降当地では耕作は行われていません。

f:id:road_hashas:20201123123821j:plain

2020年2月20日撮影

しばらく動きはありませんでしたが、このころになって写真内のニワトリ小屋の解体が始まりました。

f:id:road_hashas:20201123123915j:plain

2020年3月4日撮影

区間内の唯一の民家が移転し解体され更地になりました。

f:id:road_hashas:20201123124019j:plain

2020年3月4日撮影

一部の農地が買収されカーブする予定線がわかるような杭が打たれました。

f:id:road_hashas:20201123124106j:plain

2020年3月4日撮影

反対方向を向いた写真です。一部杭のない用地では2020年度も耕作が行われました(=買収未完了)

f:id:road_hashas:20201123124200j:plain

2020年10月8日撮影

残っていた農地も2020年の耕作シーズン終了をもって買収に応じ、区間のすべての用地買収が完了しました。

 

続く...

*1:RRR工法協会だよりNo.45より引用