第3種第1級

芳賀・宇都宮LRTの工事状況や各種設備などを解説しています。

【工事の記録】平石停留場付近(2018年4月~2020年10月)

 平出立体を抜け平面に下りてきたところで、トランジットセンターを併設する平石停留場となります。

本記事では平石停留場付近の計画概要、用地取得状況、工事状況についてレポートしていきます。

建設計画概要

平面図

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平石停留場は鬼怒通りの南側、新4号国道の西側に位置します。芳賀宇都宮LRTでは2ヵ所ある2面4線構造のうちの一つで、当駅では車両基地を併設しています。

そのため車両基地への入出庫線が接続されており、南から「上り副線」「上り本線」「下り副線」「下り本線」という配置になっています。また「下り副線」のみ上りJR宇都宮東口方面への折り返しが可能な構造にもなっています。

車庫線とは「上り副線」「下り複線」のみ直接出入りが可能です。

以上のような構造から当停留場は進路構成が可能な電気転てつ機の配置が、芳賀宇都宮LRTで最も多くなっており、計3か所に配置されます。

用地買収の状況

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区間の建設(軌道のみ)に必要な用地の取得はほぼ完了しています。

なお当停留所では南北どちらにも駅前広場を建設する予定となっておりましたが、2020年8月24日に開催(資料公開は10月23日)された第27回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」によれば、平石停留場では先行して南側のみに駅前広場を建設するようです。

北側は平石TCゾーンの進捗に伴い今後設置される計画です。

また先行して建設される駅前広場は上の図の取得済み用地範囲内に収まる形になっています。

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20019年5月7日撮影

平石停留場が建設される箇所の田畑の取得状況です。特に用地幅杭は見当たりませんでしたが、2019年の耕作シーズンにおいて特に何の動きがなく、その後宇都宮市により除草作業が行われたため、取得済みと判断しました。

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2019年3月13日撮影

車両基地からの入出庫線の用地幅杭が打たれている様子です。

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2020年1月12日撮影

平石停留場の北側にあたる農地です。2020年初頭に用地幅杭が打たれていることを確認しております。おそらく駅前広場建設用地もこちらの農地を活用するはずですが、駅前広場に関連する測量等は確認できていません。

2020年10月23日公開の資料より、北側の駅前広場は当分建設されない(後述するTCゾーンで建設)ことが明らかになりました。

また2020年の耕作期に田植えを行っていたという情報もあり、ひょっとしたらまだ用地が取得できていない可能性もあります。→本当に未取得でした

工事状況

土木工事

平出町停留場付近の建設に関連する土木工事は2020年10月現在特に行われておらず、発注見通しでも特に公表されておりません。

軌道関連工事

本停留場の信号設備(連動装置等)を設置する工事が2019年度に発注され東武電設Mテクノ宇電工建設共同企業体が落札しております。ただし2020年10月現在、この工事が現地で行われていることは確認できておりません。

工場で連動装置の作成を行っている可能性があります。

また各転てつ機や一部レールがすでに物品として発注されており、別の場所に納品(仮置き)されている可能性があります。

平出町停留所駅前広場について

宇都宮市が公表しているVR映像からは南北どちらにも駅前広場が建設される様子が見て取れました。

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*1

 

 

映像では北側ロータリから鬼怒通りまで2車線片側歩道付きの道路が整備されているのが確認できます。鬼怒通りとの交差点では右折レーンも整備されるようです。将来的には鬼怒通りの北側へも市道を延伸する計画もあるのかもしれません。また鬼怒通りとの交差点には信号が整備される可能性が高いと思われます。

さらに北側にはトランジットセンターゾーンの建設も計画されていることから、北側ロータリーが本停留所のアクセスのメインとなると思われます。

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*2

2020年10月23日に公開された資料から、南側のみに交通結節点の機能が建設されることが明らかにされました。

なおトランジットセンターの機能である自動車用駐車場は2020年10月現在、どこに建設されるかはわかっておりません

この資料から、駐車場の建設位置も示されております。ただ用地からみて台数はかなり限られると思います。

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*3

 

また線路を挟んで南北の市道については、LRT建設後自動車の通り抜けができるのかどうか、この点については今のところ公表されていません。

こちらも通り抜けができなくなることが明確に示されました。

以上の情報から平面図を起こしてみました。

なお実際の計画とは異なり単なる予想であることをご承知おきください。

→全く違う形でしたので後日図面を訂正します

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(予想と大きく外れています)

非常に限られた取得ができた用地内で建設するようです。

なおさらに南側には用地買収の対象となった農家さんの移転先があるため、南側へのさらなる拡張はないと思います。

平出町トランジットセンターゾーン

平出町停留所を含む計5か所の停留所にトランジットセンターの機能が持たされる計画ですが、平出町に限り交通結節点の機能に加え、トランジットセンターゾーン(TCゾーン)としてまちづくりのシンボルとなる拠点を形成する構想があります。

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構想段階ではありますが、TCゾーンは平出町停留所の北側~鬼怒通りの南側の農地に建設を計画しています。

本事業はLRT本体の事業とは別扱いのため、現時点では詳しくは紹介しませんが、TCゾーンの構想が北側の用地買収に影響を与えており(LRTとTCゾーンの2重の用地買収となり地権者負担が大きくなる)、北側の駅前広場の建設を後回しにした可能性が考えられます。

続く...

*1:宇都宮市LRT導入区間VR映像から引用

*2:第27回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」資料から引用

*3:第27回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」資料から引用